Link Sportsの共同創業者CTO の濱本暁氏、今最注目のARスポーツ「HADO」を開発しているmeleapのリードシニアエンジニア 増田博志氏をお迎えし、開催した『MERCI TALK』、3回に渡ってお届けしていきます。
今回はレポート2回目です。
第1回、第3回と合わせてご覧ください!
第1回はこちら🔽
https://ascenders-merci.com/articles/1
第3回はこちら🔽
https://ascenders-merci.com/articles/13
自分の使いたかったサービスを作っている面白さ
山本:
他の業界を経験してスポーツの仕事に関わっていますが、スポーツに関わる面白さや難しさなどのお話を伺えればと思います。
増田:
HADOはスポーツそのものを作っているので、作ったものを現場に持っていき、ユーザーにプレーしてもらいます。大会も自社で主催していて、ハマってくれる人達は週3、4回は練習していて、様々な意見をくれます。
大会では、負けて悔しくて泣いてしまう選手も出てきて、一生懸命に本気でやっている姿を眼の前で見ています。これまでの仕事は、ユーザーの顔を直接見れなかったのですが、今はユーザーの熱意を感じられます。
ユーザーの皆さんもHADOを発展させるぞという気持ちがとても強いので、こちらもとても気合が入ります。
濱本:
面白さは似ていて、ユーザーの反応を直接貰えるのは面白いと思います。僕の場合はTeamHubというアプリ自体が、1ユーザーとして欲しかったものを自ら作ったという形なので、使っていて楽しいですし、それを作っていても楽しいです。
山本:
もともとTeamHubを作りたいきっかけはどんなものだったのですか?
濱本:社会人でアイスホッケー、サッカーをやっているのですが、自分のチームで出欠確認や場所を知らせることが、メール、LINEなど複数のツールを使ってマネジメントをしてきました。それを一元管理できないか、という想いからスタートして、ユーザー側の視点を持って作りたいと思っていました。

ユーザーにしかわからない変化
山本:
サービスを作っていて、どのようなしくじり話があったのでしょうか?
増田:
自分たちはスポーツと言ってますが、作っているアプリケーションはゲーム的な手法で作っているので、アップデートがあります。Unityのバージョンが変わったり、内部のライブラリーが変わったり、見た目のアップデートや、ルールを変えたいときもあります。
最初はアップデートしてもユーザーはわからないレベルでしたが、最近はユーザーがHADOを知り尽くしています。自分たちが「これで大丈夫だろう」と現場に出したら大失敗ですぐに引き下げたこともあります。
些細なプレイ感の違いなどは我々開発者よりもコアユーザーの方が敏感になってきています。良いと思っていたものも、劣化だと怒られることもありました。
その対策として、最近はまずユーザーにお願いして先行でテストをしてもらい、次のリリースをします。ペースは遅くなりますが、慎重にしないとアップデートをかけられません。
最近の開発ではアップデートはどんどんかけますが、そういう手法は取り辛いです。それは失敗から学んだことですね。
山本:
大変ですね。スポーツの想い入れの強さもあると思いました。続いて濱本さんからしくじり話をお願いします。
濱本:
僕自身がユーザー目線なので、客観的に見れないところがどうしてもあります。これは絶対便利だろう。良い機能だろう。と確信を持って出したものが、あまり使われないときもあります。
また、しくじりまでいきませんが、社員は体育会ノリが多く練習の出欠では出席か欠席か連絡するのは当たり前という固定観念があるので、出欠欄の選択肢には未定がありません。よく「未定の選択肢を入れて欲しい。」とお客様から言われます。
そういうこちらの一方的な想いが空回りして、上手く伝わってないところはありますね。
山本:
社内、またはご自身の社外活動でもいいのですが、どのようなテーマを持って、今後は取り組んでいきますか?
増田:
HADOについては、プレイそのものに力を入れて作ってきましたが、今一番力を入れているのは観戦です。番組作りを考えたとき、何をしたほうがいいのか考えたりします。
HADOは80秒で戦いますが、天下一武道会でエネルギー弾を打ち合っているイメージです。正直、誰に当たっているのかわからないし、何が起きているかわからないと言われます。
一度やればわかりますが、やったことない人でも面白そうと伝わる。基本的には見るだけでも楽しめる。
やらなくても楽しめることに取り組んでいかないと、スポーツとして大きくならないと思うので、ここに力を入れています。

濱本:
チームマネジメントツールとしてスタートしましたが、目指す世界観はスポーツをする人が楽しいと思える世界を手助けしたいと思っているので、面白要素を入れたいです。現在は、TeamHubスコアを各競技付けられるのですが、スコアを分析して、1試合毎に選評のようなものを作りたいと考えています。
例えばスポーツ紙の記事のように「誰が活躍した。この場面で誰がホームランを打った」など試合の流れをAIの技術で作れないかという壮大な計画だったりします。機械学習のAIで、記事のようなものを自動作成できたら楽しいですし、それをまたSNSでシェアできたら面白いと思っています。

次回(第三回)は、スポーツとITの今後についての話題をまとめています。合わせてご覧下さい。
第3回はこちら🔽
https://ascenders-merci.com/articles/13
◆イベント協賛
MERCI Talkの協賛企業に「BASE FOOD 」様に完全栄養のパン「BASE BREAD」を提供していただきました。
https://shop.basefood.co.jp/products/basebread

◆登壇スピーカー
・株式会社Link Sports共同創業者CTO 濱本 暁 様

アルバータ大学体育学部では身体教育学を専攻。その後ハードウェアメーカーに就職し、ngi group(現ユナイテッド株式会社)、netprice.com, Netmile CTOを経て、Link Sportsを創業。現在は技術責任者として「TeamHub」を統括。
株式会社Link Sports様の企業詳細ページ
https://ascenders-merci.com/companies/3
・株式会社meleap リードシニアエンジニア 増田 博志 様

元Webエンジニア。過去に個人活動で街歩き謎解きを共同制作したCCO本木と数年ぶりに再会・意気投合しHADOというテクノスポーツを開発したmeleapにJoin。10年のフリーランスWEBエンジニアを経ての異業種転職を果たす。自称の肩書きは「現場エンジニア」
常に最も現場に近い場所でHADOを作ることを信条に日々競技者の元へ足を運ばれています。
株式会社meleap様の企業詳細ページ
https://ascenders-merci.com/companies/78
◆ファシリテーター
・Ascenders株式会社Managing Director 山本 大輔
静岡県出身。筑波大学蹴球部を経て、世界有数の人材会社であるJAC Recruitmentに新卒入社。2年半でシニアコンサルタント職に昇格。Ascendersでは、新規事業MERCIのビジネスデベロップメント・セールスを担当。
B1リーグレバンガ北海道所属の山本柊輔は弟。
Ascenders株式会社 企業詳細ページ
https://ascenders-merci.com/companies/1